古典和歌を集めました。

花の和歌
万葉集の頃は、花といえば梅花のこと。「令和」の由来となった梅花の宴のように、文化人たちは積極的に梅の花を愛でたようです。やがて平安時代、花といえば桜を指すようになりました。 この「花の和歌」ページには、梅や桜のみならず、四季折々の花を詠んだ...

風の和歌
まだ気象学などの発達する前。人々は季節や天気の移り変わりを、風の温度や強さや匂いから敏感に感じとっていたのでしょう。 追憶の風 うねめの袖吹き返す明日香風 都を遠みいたづらに吹く うねめの そでふきかへす あすかかぜ みやこをとほみ いたづ...

夢の和歌
昔は「夢に好きな人が出てくる=相手が自分のことを思ってくれている」とか、「好きな人を深く思う→相手の夢に自分が登場する」なんて俗信じみた考えがありました。夢を、各々閉じた世界としてではなく、現実世界のように他者と関わりを持てるものとして認識...

恋の和歌
千年昔の人も、現代人と同じように恋に悩みよろこび苦しんでいた様子が、和歌に残されています。相手に伝えられた歌もあれば、人知れず文箱の底にしまわれた歌もあるでしょう。 詠者不詳の「読み人知らず」の恋歌たちが、どんな経緯で掬い上げられたのか、妄...

源氏物語の和歌
桐壺~藤裏葉 いにしへもかくやは人のまどひけむ わがまだ知らぬしののめの道 いにしへも かくやはひとの まどひけむ わがまだしらぬ しののめのみち(源氏・夕顔32) ・夕顔の君をなにがしの院に連れ出して牛車の中で一首源氏「私には経験のない夜...

雑の和歌
納涼 露すがる庭の玉笹うちなびき ひとむら過ぎぬ夕立の雲 つゆすがる にはのたまざさ うちなびき ひとむらすぎぬ ゆふだちのくも(藤原公経・新古今265) 「雨露のついた庭の笹を揺らし、夕立雲がひとかたまり過ぎていった」・銀泥で描いた大和絵...

月の和歌
月に寄せる思い 北山にたなびく雲の青雲の 星離れ行き月を離れて きたやまに たなびくくもの あをくもの ほしはなれゆき つきをはなれて(持統天皇・万葉集161) ・天武天皇の崩御されたときの歌「香具山にたなびく雲が、星を離れ月を離れてゆく…...

凡例
構成 分類 花・恋・夢・風・月・雑・源氏物語の7項目です。和歌の内容が多岐にわたって分類困難な場合は、「‘和歌の感動の中心=主題に最も適っていると思われる項目’に分ける」「判断に困ったときは一番印象的な風物の項目に分ける」という一応の基準を...