佐伯山卯の花持ちし
夏の歌というか、恋の歌というか。

佐伯山 卯の花持ちし愛しきが手をし取りてば 花は散るとも(万葉集1263)恋の和歌
さへきやま うのはなもちし かなしきが てをしとりてば はなはちるとも

卯の花を持っていたあの手をとれたら、と以前見た女の姿を追想して詠んだ歌のようなので、この絵はその男の妄想に基づいて(?)描きました。卯の花は、小さくて花弁が薄いので雨風に弱く、すぐに散りこぼれてしまいます。まして男の力強い手に触れられたら…。

「手をし」を「子をし」とする本もあります。その場合、手だけでなく全身を引き寄せていそうで、情熱的ですが詩情はやや薄れるような気がします。

('06.06.11)

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