五月雨に物思ひをれば
梅雨の頃の絵を描きました。

五月雨に物思ひをれば ほととぎす 夜ふかく鳴きていづちゆくらむ(紀友則・古今集153)雑の和歌
さみだれに ものおもひをれば ほととぎす よふかくなきて いづちゆくらむ

この和歌は、どうやら友則さんが女性の立場から詠んだ歌であるようです(『貫之集・躬恒集・友則集・忠岑集』)。ということは、物憂げに寝返りを打つ女性、鳴きながら飛び去るホトトギス、といった情景が詠まれているのでしょう。

ではこの女性は、なぜ夜更けに寝られずに物思いをしていたのでしょうか。
穿った見方をすれば‘ほととぎす’はその女性のもとにかよって来るべき相手の隠喩で、「あの人ったら今頃どこほっつき歩いてんのかしら!まさか別の女のところ?!」と、咎めている歌であるのかもしれません。

…ということは、男性を描いたこの絵は歌の内容にそぐわないことになっちゃいます。なお、雨の中行き倒れになっているわけではありません。あしからず。

('00.07.10/'06.07.25に絵を差替)

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