恋ひ死ねとするわざならし むばたまの夜はすがらに夢に見えつつ(古今集526)夢の和歌
こひしねと するわざならし むばたまの よるはすがらに ゆめにみえつつ
現実では逢ってくれない人への恨み言か、振り向いてもらえない自分への自嘲か。
しかし「恋ひ死ね」という言葉は激烈で、たぶん一度や二度は逢い見た仲なのではと思われます。
―なぜ近頃逢つてくれないのだらう
―夢に出てきてくれるのだから期待してよいのだらうか
―いや違ふ、きつとじらして焦がれ死にさせるために夢に出てくるのだね、ひどい人。
この詠みっぷりから男だと決め付けていたのですが、女だったら待つ女ですね、執念深く。
('03.12.05)