霜雪もいまだ過ぎねば
冬から春に移る頃の和歌です。何となく漢詩の雰囲気があります。

霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに春日の里に梅の花見つ(大伴三林・万葉集1438)
しもゆきも いまだすぎねば おもはぬに かすがのさとに うめのはなみつ

「霜も雪も残る春日の里に、思いがけなく梅の花を見た」

作者は伝未詳。大伴三依の誤記とも言われています。
「春日」という地名と季節の「春」とを掛けて興じているらしく、それだけでは面白くも何ともありません。が、「思わぬに」という句が繋ぎに入ると、一首全体に初春の瑞々しさが溢れ出すように思えます。

梅の色は、万葉では白梅が多いそうで、この歌においても‘白雪に紛れ咲く白梅’の方が良いのかもしれませんが、あえて春らしく淡紅色にしてみました。

さて先日、ある方から画像を頂戴しました。その新鮮な驚きを、偶然見つけたこの歌に託してお礼メールにしたところ、さらに美しい画像を思いがけなくも頂いてしまいました。ご快諾を得ましたので掲載させて頂きます。梅の花のお写真

('03.03.10)

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