照りもせずくもりもはてぬ春の夜の
照りもせずくもりもはてぬ春の夜の 朧月夜にしくものぞなき 月の和歌
てりもせず くもりもはてぬ はるのよの おぼろづきよに しくものぞなき

「煌々と照るでもなく
曇りきるでもない
春の夜の朧な月夜に
まさるものはない」

作者は大江千里、新古今集に入っております。
『源氏物語』花宴巻では、この歌を口ずさみながら、源氏の政敵・右大臣家の姫が登場します(ただし結句は「似るものぞなき」。女性なので‘しく’という漢文訓読調を嫌ったようです)。それで、後世の私たちはこの姫を「朧月夜の君」と呼び習わすようになりました。また、この場面ゆえに、当歌は新古今集に採られたとか。

この後、彼女は潜んでいた源氏に袖を引かれ、手篭め(!)にされてしまいます。

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