あかねさす紫野行き標野行き
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る 恋の和歌
あかねさす むらさきのゆき しめのゆき のもりはみずや きみがそでふる

「染めれば茜に匂う紫草の野を
お上の御料地の野を
行くあなた
ああ野守が見ます
そんなに袖をお振りになっては」

という五月五日の薬猟の場面を絵にしてみたら、こうなってしまいました。
‘前の夫の大海人皇子が袖振るのを今の夫の天智天皇が見咎めないかドキドキしている(袖を振るのは愛情表現だったようです)’、というのが一般的な解釈でしたが、近年はこの和歌とこれに唱和した大海人の和歌が相聞ではなく雑歌として万葉集に収められていることなどから、宴会で座興として詠われたのではないか、という解釈が主流となっています。
また、そもそも額田王と彼らとの関係がどういうものだったかすら(夫婦か恋人か女官かとか)よく分かっていないようで、当時も天智ではなく大海人の女だったというお説もあるそうです。

こういった背景はともかく、額田王は‘野守’に見られたら困ると口では言っていても、袖を振ってもらえるのは嬉しいし、見られるスリルを楽しんでいたように感じられます。そんな微妙な女心が表情に出ているといいなと思います……が心あまりて画力足らず。

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